おかあさんのレシピから学ぶ 医療的ケア児のミキサー食(南山堂)

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商品名 おかあさんのレシピから学ぶ 医療的ケア児のミキサー食
販売元 株式会社 南山堂

島田療育センター はちおうじ 所長 小沢 浩 編
NPO法人ゆめのめ代表理事 大高美和 編
定価:1,944円(本体1,800円+税8%)

B5判 91頁
2018年10月 発行
SBN978-4-525-52041-0

概要

うちでできるミキサー食注入

障害をもつこどものQOL向上に伴い,胃ろうや経鼻栄養等で栄養を摂取しているこども達の食事の在り方について注目が集まっている.本書は,実際にこどものミキサー食を作っているお母さんのレシピを紹介.すでにミキサー食を導入している施設や学校の取り組みも盛り込んだ.胃ろうの子どもに関わる医療者・ご家族に活用してもらえる書籍である.

商品紹介

序文
刊行によせて

 私と,ミキサー食注入の出会いは,5年前にさかのぼります.
 Aさんは,成人式を目前にした男性で経管栄養剤で食事をとっていました.肺炎になり総合内科に入院し,抗生剤で改善したのですが,その副作用で下痢になってしまいました.入院して1ヵ月後,総合内科医と相談し,下痢のままでも経管栄養剤で水分摂取できたので,当院の外来で対応することにして退院しました.外来に来たAさんは痩せこけていました.体重は21kgから18kgに減少し,栄養状態も悪く,腰と耳に褥瘡がみられました.下痢は栄養剤注入ごとにみられ,おしりは肛門を中心に広範囲にただれていました.皮膚ははりがなく,笑顔が消え,体もぐたっとして動きませんでした.外来で毎日点滴を行い,脂肪やビタミン剤を入れました.通所のデイサービスを再開し,点滴をしながら毎日参加していました.Aさんの下痢は,1日2〜3回に減りましたがよくなりません.4ヵ月後,スタッフから「ミキサー食注入ができないだろうか」と提案がありました.胃チューブが入っていましたが,スタッフの努力により,1日1回ミキサー食注入が開始されました.注入開始から3日経ったときのことです.Aさんのお母さんが,「みて!みて!」と私のところに走ってきました.それは,形のあるウンチの写真でした.ミキサー食注入が下痢を改善させたのです.私はその写真を見てお母さんと跳びあがって喜びました.Aさんに笑顔が戻りました.

 ミキサー食注入は,子どもと家族を幸せにする.
 そんな思いがきっかけとなり,この本の企画が始まりました.
 ミキサー食注入を先進的に取り組んでいる施設に声をかけたところ,すべての方々が喜んで協力してくれました.
 そして,なによりもレシピを提供してくれたお母さんたちの,何回も集まって,何回も料理を作って,何回も写真を撮ってくれた,その努力には頭が下がります.本当に感謝します.
 この本は,たくさんの方々の思いがつまった結晶です.
 「ミキサー食注入はしたいけど,やり方がわからない」という声をお母さんたちからよく聞きます.
 この本によって,ミキサー食注入をする人が増え,子どもと家族の笑顔が増えれば幸いです.
 
「幸せの輪」が,広がっていく.
 この本が,そのお役に立つことを,私たちは願ってやみません.

小沢 浩



 本書を制作するに当たって,胃ろうのあるお子さんにミキサー食を作っているだみーさんからこんなお話がありました.

『風邪のときはすりりんご,お誕生日はからあげに,ケーキみたいなハンバーグ,家族全員が大好きなクリームたっぷりのコーヒーゼリー,運動会のお弁当,とびっきりのお節料理,ここぞってときは梅干し,そして毎日のお味噌汁….振り返ると,母のごはんはいつも私に寄り添って応援してくれて,一緒に泣いたり笑ったりしてくれていたんだなと思い知らされることばかりです.
 娘の病気や障害に向き合ったとき,自分ができることって本当に少なくて悔しいけれどこれしかありませんでした.
 でも,だれに話しても,「栄養剤でいいじゃない」「なんでそんな面倒なことをするの」という反応が多く本当に孤独でした.同じ想いの仲間に出会えたとき,やっと通じた!と嬉しかったです』

 医療的ケアやどんな障害があっても,大切なわが子のために何かしてあげたいと思うのは,母として自然なことではないでしょうか.
 私自身,摂食嚥下障害のある娘(胃ろうではありませんが)と過ごす日々は,管理栄養士という資格を持っていても毎日の食事作りに悩み,子育てなのか介護なのかわからなくなり悩むことがありました.
 でも,友人のしおりさんとの会話で,はっとしました.

 「医療や介護じゃなく私は子育てがしたい」

 そんなことを自然に発する彼女の言葉は,いつしか母として自信を失いかけていた私に勇気をくれました.特別なことではなく,目の前のわが子のために,できることをすればいいんだと思うようになりました.
 本書でご紹介するレシピは,それぞれの家庭で,お母さんたちが胃ろうのあるお子さんのために,家族と一緒の食事から取り分け,注入しやすい滑らかさや栄養面など試行錯誤しているミキサー食の作り方を,そのまま教えていただいたものです.
 大切なお子さんへの愛情表現のひとつとして,栄養を摂取する選択肢のひとつとして,本書がひとりでも多くのお母さんお父さんの元に届き,そして子どもたちの笑顔に繋がることを願っています.

 小沢先生はじめ,この本を通して出会ったすべての方,ミキサー食注入を実践するお母さんたちが作った『ママと子の胃ろう食推進委員会』(通称mamakoi)の皆さんに感謝申し上げます.そして,食べることの幸せをいつも教え続けてくれている最愛の娘に,心よりありがとうと伝えたいです.

大髙美和


目次
Part1 ミキサー食を知ろう
 1.ごはんを食べよう!
  はじめに
  長所と短所を知っておこう
 2.胃ろうってどんなもの?
  胃ろうの種類
  子どもの胃ろうを考える
  胃ろうの問題点
 3.医療的ケア児の栄養を知ろう
  はじめに
  適切なカロリー
  適切な栄養成分
  胃ろうからのミキサー食投与の意味
  終わりに
 4.食材別のポイントと工夫
 5.用意するもの
  調理と注入に必要なもの
  ミキサーの選び方
  とろみのつく食材やとろみ剤を使って,ミキサー食に適度なとろみをつける
 6.調理手順
  ミキサー食を作ってみましょう
  ミキサーを使って滑らかにするための使用ポイント
  注入の手順
  片付け
 7.ミキサー食を始める注意点 
  始めるときは
  アレルギーに注意
  体重の増減に着目しましょう
  ミキサーのかたさ(粘度)に注意
  注入中の様子で気を付けること
  うんちに注目
  ミキサー食の保存について
  腸ろうの方はお勧めできません
 コラム 必要な栄養や水分についても知っておけば安心

Part2 うちのレシピ
 のりのりさんちのレシピ
  きのこのポタージュ
  ポテトグラタン
  ハヤシライス
  マシュマロミルクプリン

 けいちゃんちのレシピ
  ミートソーススパゲティ
  ハンバーグ
  コーンスープ&パン
  ミルク蒸しパン

 だみーさんちのレシピ
  そら豆の白あえ
  牛肉とごぼうのしぐれ煮
  わかめとねぎの味噌汁

 みゆきさんちのレシピ
  鮭のホイル焼きチャンチャン焼き風
  野菜たっぷりにんじん色スープ
  茶碗蒸し
  クリスマスプレート
  バースデイプレート

 takakoさんちのレシピ
  ひじきの煮物
  肉詰めピーマン
  さつまいもとりんごのケーキ
  お好み焼き,アボカドサラダ

 あやこさんちのレシピ
  にら玉スープ
  鶏肉とキャベツの炒めもの
  肉じゃが
  レタスのナムル

 しおりさんちのレシピ
  炊き込みご飯
  きんぴらごぼう
  オムライス
  年越しそば風
  お雑煮
  ハンバーガー&ポテト
  手作り濃厚甘酒

 さぁちゃんちのレシピ
  たけのこの煮物
  煮豚
  白身魚のオリーブオイル煮
  卵入り油揚げ
  トマトのデザート

Part3 施設のとりくみ紹介
 ミキサー食を用いた胃ろう栄養療法(長野県立こども病院)
 ベースライス法ミキサー食の導入(大阪母子医療センター)
 胃ろうからのミキサー食注入(神奈川県立こども医療センター)
 経管栄養の方の成長を支える「胃ろう食」(つばさ静岡)
 「食品注入」の特徴(花の郷)
 給食ミキサー食ショット注入の導入(神奈川県立鎌倉養護学校)

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