少しでも前向きに楽しくなる生活を☆pescafiore〜内谷桃子先生〜

インタビュー

インタビュー

障がいがあったり介護が必要な方の「ネガティブ」を「ポジティブ」へ・・・ 実際のニーズを便利でオシャレな物へと形にするショップ、pescafiore(ペスカフィオーレ)代表の内谷先生に、お話を伺いました。

かわいくて着やすい服を
インタビュアー:本日はいろいろな商品のご紹介をいただきありがとうございます。少し詳しいお話を聞かせていただけるでしょうか。
まず内谷さんは理学療法士でいらっしゃるとのことですが、なぜこのようなネットショップをされようと思われたんでしょうか?

内谷先生:訪問リハビリの中で、高齢のご利用者さんと関わることがたくさんありました。そのほとんどの方は、一日中パジャマか地味な服、またはずっと同じ服を着ていて、オシャレにはまったく無関心に見えました。
ご利用者さんにはいつも明るく楽しい姿でいてほしい、特に女性にはいつまでもオシャレをしてほしいと思うのですが、なかなかそのようにはいきませんでした。
でもある日、私が作った前開きのブラウスを一人のご利用者さんに着ていただいた時、「かわいい!着やすい!」と、とても喜んでもらえました。その笑顔を見て、やっぱり内心ではみんなオシャレしたいと思っているんだな、かわいくて着やすいものがなくて諦めていただけだったんだな、と気づいたのがきっかけですね。
ネガティブがポジティブに
インタビュアー:もともと裁縫や手芸が得意でいらっしゃったのですか?

内谷先生:実はそういうわけでもないんです。オシャレな洋服やコーディネートを考えたりするのは好きでした。大学の卒業研究も、難病の方の服の着脱をテーマに書きましたし。でも、きちんと服飾を勉強しようと思ったのはPTになってしばらくしてからでしたね。
雨って基本的に憂鬱じゃないですか。でも例えば新しいかわいい傘をプレゼントされたら、雨降らないかなぁって思ったりしますよね。無意識にそういう身の回りのものがネガティブをポジティブに変えていることって実は多いんです。ちょっとしたことでネガティブな気持ちを払拭できるのであれば、そんなお手伝いができればと思いますね。
もっと素敵な母でいてほしい
インタビュアー:ホームページでもネガティブをポジティブにとおっしゃってられますが、そうした思いは昔から持っておられたんですか?

内谷先生:ポジティブにって言いながら少し暗い話になっちゃうんですけど、在宅生活をイキイキと送って欲しいという想いの原点でもあるので、お話させていただきます。
母のことが一番影響していると思います。母は32歳で脳腫瘍を患って40歳で亡くなりました。闘病中のほとんどを病院で過ごしていましたが主治医の先生に終末期を宣告されてからは在宅での療養生活を送ることになりました。それまでほとんど母と一緒に過ごしたことがなかった私はとても喜びました。はじめは母の身の回りの世話をすることが嬉しくて張り切っていましたね。
でも当然ながら母はどんどん弱っていきました。そんな母の姿を目にすることに耐えられなくなっていったんです。「つらい、悲しい」と泣く母の姿を見るのが苦しくなっていたんですね。
「もっと素敵な母でいてほしい。せめて少しでも前向きな気持ちを持ってほしい」
最期はずっとそんな想いでいたと思います。でも結局、母には何もしてあげられませんでした。気持ちだけでは何もできないんだと、小学生ながら無力感でいっぱいだったのを覚えています。

少しでも楽しい気持ちに
インタビュアー:なるほど。お母様が一番最初の患者さんだったのかもしれませんね。

内谷先生:そうですね。その後大人になり、理学療法士としてたくさんの患者さんやご利用者さんと関わってきましたが、あの時の気持ちは今でもずっと残っています。
病気になった本人のつらさも、その周りにいる方の無力感や苦しみも、すべて本当のものです。綺麗な言葉を並べ立てるだけでは意味がないですし、かと言って真正面から受け止め続けることはとても難しいと思います。
だから私は、つらいと思う生活があっても前向きで楽しい気持ちになれるような取り組みをしていければと思います。その一つの手段としてpescafioreの商品があればと思っています。身に着けることで少しでも楽しい気持ちになるようなアイテムをご提案したいですね。
作業所さんのすばらしい技術
インタビュアー:pescafioreを支える方のお話もお聞かせいただけますか。

内谷先生:現在、商品の作製は、障がいのある方が働かれている作業所さんにお願いしています。はじめて作業所見学に行かせていただいた時、みなさん扱いが難しい工業用のミシンを巧みに走らせ、本格的な作品を作っておられて、大げさではなく驚きと感動を同時に覚えました。縫製も全体的な仕上がりもとても綺麗で「ぜひお願いしたい!」と一瞬でファンになりました。
pescafioreがニーズのある商品を企画すること。それを作業所さんの縫製技術で作り上げること。こうしたノウハウがコラボし、仕組みを確立することで、より質の高いものが生み出せると思います。
周りから見ると障がい者の就労支援という形に見えるかもしれませんし、確かにそういった側面もありますが、作業所さんの技術そのものを認めてほしいという想いもあります。障がい者作業所が良い意味でも悪い意味でも特別視されない、普通の労働力として社会に参加できるのが一番ですよね。
あったらいいなを形に
インタビュアー:具体的にどういった商品を扱ってられるのか教えていただけますか。

内谷先生:想いが先行しているといった感じで、ラインナップはまだまだ少ないんです
でもこれからどんどん増やしていきます。「あったらいいなを形にする」のがpescafioreの役割の一つだと考えているので、介護が必要な方にとって「実用的でオシャレ」な明るい気分になれるようなアイテムを作っていきたいですね。そのためには「こんなのが欲しい」という声をたくさん聞きたいと思っています。
インタビュアー:ケアチャネルを見てられる方々に一言お願いします。

内谷先生:本当にちょっとしたことで気持ちって変わるんですよね。pescafioreがその気持ちのスイッチを押すお手伝いができたら嬉しいです。

インタビュアー:ありがとうございました。

事業所情報

事業所名 pescafiore(ペスカフィオーレ)
事業内容 在宅生活を送る方に向けた便利でオシャレな商品の開発・製造・販売
ホームページ http://www.pescafiore.net/
お問い合わせ uchitani@pescafiore.net

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