NPO法人「医療と介護のボランティアさくらい」〜中川征士代表②〜

インタビュー

第一弾はこちらから
NPO法人「医療と介護のボランティアさくらい」〜中川征士代表①〜
住民と専門職の意識の変化が必要
インタビュアー:地域づくりで大事にしている点はどんなところですか?

中川さん:その地域に「住む」「働く」人たちの意識が変わるような取り組みを大事にしています。
例えば、欧州では本人の「意思」が最も尊重されています。自己責任の国なんて呼ばれ方もありますが、日本ではまだまだ家族や医療者がその人の生き方を決めていることも多々あります。自分で決めて、そしてそれをそっと支援する家族や地域住民、医療・介護の専門職であることが必要だと思います。
ですので、そうした自分の意思を持っていただけるように、「エンディングノート」を地域住民向けに配布したりした啓発活動を実施し、専門職向けには学習会を開催し、「意思決定支援」について学んだりもしています。

インタビュアー:住民側の変化も専門職の変化も地域づくりには必要になるのですね。

中川さん:そうですね。皆が同じ共通した考え方を持つことが重要だと思います。専門職向けには、全国のトップランナーをお招きし、学習会を開催しています。
日本人は「誰」が言うかというところにこだわる人種ですので、優秀で実績ある方から話をしていただくことが最も効果的です。
そうして地域の専門職の価値基準を合わせるような取り組みをしています。これが地域包括ケアシステムにおける「規範的統合」だと思います。
福祉先進国の欧州で学んだこと
インタビュアー:こうした幅広い取り組みを始められたきっかけはなんだったのでしょうか。

中川さん:「障害があっても、認知症があっても、自分らしく暮らせる地域」づくりをしたいという想いがこのNPO活動につながっています。
学生時代に出会った、脳卒中の方が教えてくださいました。それから世界を旅して、支えあいのある豊かな地域に気づかされました。

インタビュアー:ヨーロッパへよく行かれているそうですが、どんな取り組みを学び、どのようにNPO活動につなげているのでしょうか。

中川さん:欧州では、ケアマネジメントやそれに基づく地域連携の発展が進んでいます。
ケアマネジメントには自己開発と社会開発という2つの機能があって、前者は個人への支援、後者は社会への介入ということになります。
後者で例えると、認知症者の見守りが必要なケースがいた時に、地域での見守り活動を作ったり、企業などへのお店と協働して見守りに取り組んだりすることで、新たな社会資源の開発やネットワークの構築などをする必要性があります。そうした取り組み、日本では少ないのですが、欧州では比較的盛んで、認知症カフェなどの取り組みも一般的なカフェで曜日を決めて開催してくださっていたりするところもあります。

インタビュアー:まさに、住民や企業と連携しているというのがそこにつながりますね。

中川さん:そうした認知症者に優しい地域づくりなどは欧州では国家主導で先進しています。だから連携しやすいのですが、日本ではそうはいきません。インフォーマルな第3セクターがそうした機能を持つことで効果を発揮すると思います。
自分らしく最後まで生ききれるような地域を
インタビュアー:こうした取り組みを通して最終的に果たしたい目的は何でしょうか。

中川さん:これから多死多障害の時代を迎えると言われています。たくさんの方が自分らしく最後まで生ききれるように、そして障害があっても自分らしく暮らせるような地域づくりが最終的な目的です。
自分らしさには、「身体的」「精神的」「文化的」「社会的」の四つの要素が大事だと思います。だけど、高齢になると、「身体的」には衰えはじめ、できないことが増えていくことで「精神的」にも意欲がなくなることが多くなります。
そんな中ででも「文化的」「社会的」な暮らしが続けられるような地域づくりがしたいと思っています。
そのためには多様なセクターで共通した理念をもち、地域づくりを推進していく必要性があると思います。

インタビュアー:最後まで自分らしく暮らせる地域。いいですね。そのための活動なんですね。今後も、医療と介護のボランティアさくらい、暮らしの保健室、そして中川さんを応援しています!
本日はどうもありがとうございました。

団体情報

団体名 医療と介護のボランティアさくらい
主な活動地域 奈良県桜井市
電話番号 050-3634-0151050-3634-0151
メールアドレス sakurai.hokensitsu@gmail.com
ホームページ 暮らしの保健室さくらい

活動内容
暮らしの保健室活動

暮らしの保健室とは…気軽な医療・介護の相談窓口です。
医療や介護の専門スタッフと住民ボランティアで運営しており、地域住民の元へ出向いて出張相談会を開催したり、健康講座・運動教室を開催しています。

学習会
医療介護の専門家や医療や介護に興味のあるボランティアを対象に、学習会を開催しています。奇数月はボランティアスキルアップ講座・偶数月はトップランナー(外部講師)を招いて専門的な学習会を開催しております。

企業イメージアップ
数か所の企業さまに協賛いただいておりますので、その企業さまのイメージアップに取り組んだり、認知症サポーター講座等の開催、従業員の医療・介護相談を実施しております。

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